緑の思い出

ある春の日、私は長い間忘れかけていた故郷の山へ足を運んだ。都会の喧騒から離れ、小さな村で育ったあの場所には、多くの思い出が詰まっていた。子供の頃、友達と共に遊び回った森、川のほとりで過ごした穏やかな日々、夜空を見上げて流れ星を数えたあの瞬間。すべてが鮮明に思い出され、懐かしさとともに心が温まった。


山へ向かう道中、道端に咲く野花に目が留まる。春らしい色彩が、まるで私を歓迎しているかのようだった。それでも、いつも見ることのなかった珍しい花々もあり、自然の力強さと、時の流れを感じさせた。花の香りを吸い込みながら、気分も高揚していく。久しぶりに見る故郷の景色は、懐かしさとともに新鮮さもあり、まさに時が止まったかのように思えた。


山を登るにつれ、次第に空気が澄んでいく。鳥たちのさえずりが聞こえ、小川のせせらぎが耳に心地よい。小さな生き物たちが、私たちの目には見えないところで、きっと生き生きと暮らしているのだろう。自然の中で生かされていることを、改めて実感した。


村に着くと、懐かしい面影が私を包み込んだ。昔遊んだ友達の顔が頭に浮かび、誰もいないかもしれないと思いながら、かつての遊び場へ向かう。そこは、私たちが秘密の基地と称していた場所だった。自然に囲まれた森の中、木々の間に古びた倒木が横たわっている。あの頃はこの倒木に登り、仲間たちと一緒に冒険の主人公になったものだ。


私は再びその倒木に跨がり、昔の思い出に浸る。と、その時、ふと視線の先に動くものが見えた。小さなリスが、木の枝から枝へと軽やかに飛び移っている姿が目に入る。まるで私に何かを伝えたいかのように、その瞳はキラキラと輝いていた。リスはハッとさせるような素早さで、私の目の前の木の上に登っていく。自然の中で生きる動物たちとこの場所が、まだ私を覚えていてくれたのだと感じた。


数時間過ごしているうちに、自然が創り出す美しさを改めて感じる。夕日が山の向こうに沈み、オレンジ色に染まる空は、まるで大自然の絵画のようだった。空に浮かぶ雲が光を浴びてきらきらと輝き、波のように変わ っていく様は、心の奥底から感動を呼び起こした。私はこの瞬間、全ての喧騒を忘れ、ただ美しい自然に身を委ねる。


自然こそが私に生きる力を与えてくれる存在であると、改めて実感した。山からの帰り道、私は鳥の歌声を聴きながら、心が穏やかになっていくのを感じた。都会の生活に戻ることが少し憂鬱になったが、これまでの思い出や経験が、私を支えてくれることを知っていた。自然に囲まれた時間が、私をリフレッシュさせ、再び日常へと戻っていく力を与えてくれると信じていた。


その日、山から下りる頃には、心の中に新しい希望が芽生えていた。自然が持つ力は偉大であり、私たちはその中で生かされている。リスの姿が教えてくれたように、毎日を大切に生き、自然の大切さを忘れずにいることが、私にとっての使命なのだと気づいた。山の風景を振り返りながら、心から感謝の気持ちを抱きつつ、静かに村を後にした。 언제나 자연은、私を待っていてくれる、そんな気がした。